解雇について解説します

解雇とは?

解雇とは使用者からの一方的な意思表示で労働契約を解約させることをいいます。つまり、労働者の承諾を必要としません。

裁判所は使用者の解雇権の行使について昭和50年4月25日の最高裁判所の判決(日本食塩製造事件)や昭和52年1月31日の最高裁判所の判決(高知放送事件)などで「客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当なものとして是認することができない場合は解雇権の濫用にあたり無効である」との判断を示しています。平成16年1月1日施行の改正労働基準法では、過去の最高裁判所の判決で確立していた上記の解雇権濫用法理が成分化されました。

解雇の種類

【普通解雇】
整理解雇、懲戒解雇以外の使用者からの一方的な解雇を普通解雇といいます。

【整理解雇】
経営上の理由等から行われる人員整理に伴う解雇を整理解雇といいます。整理解雇の場合、次の4つの要件を満たさなければなりません。1つでも欠けたら整理解雇は認められないと考えられています。

①人員整理の必要性
②解雇回避の努力を尽くしたこと
③整理解雇者選定に合理性があること
④整理解雇の説明協議をしたこと

【懲戒解雇】
重大な企業秩序違反を犯した者に行われる解雇を懲戒解雇といいます。懲戒解雇は労働者の名誉や信用にかかわりますので懲戒解雇が認められるためには次のような厳しい要件を満たすことが必要と考えられています。

①就業規則に懲戒事由や懲戒の種類が明記されていること。
②就業規則が周知されていること。
③懲戒規定の内容が合理的であること。
④就業規則の懲戒事由に該当したこと。
⑤平等取扱い・・同じ規定に違反した場合には、これに対する懲戒も同じ種類、同じ程度であること。
⑥処分の相当性・・企業秩序違反が労働契約を解除する処分として相当であること。
⑦適正な手続き・・本人への説明、弁明の機会を与えること。

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