国民健康保険に加入となる人や届出、計算方法などを解説します

国民健康保険とは

国保の加入者

健康保険の加入者及び生活保護を受けている方以外は、国保の加入者となります。

●世帯ごとの加入
被保険者が何人いても、国保への加入は世帯ごとです。加入の届け出は世帯主が行います。

●国保へ加入する者
・自営業者
・農業・漁業の従事者
・アルバイト・パートなどで会社の健康保険に加入していない者
・退職して健康保険の任意継続をしなかった者
・外国人登録をしていて、1年以上日本に滞在すると認められた者

国保の届出

■国保へ加入

●会社を辞めたとき
会社を辞めて健康保険を任意継続しなかった場合は、国保への加入となります。

●被扶養者からはずれたとき
収入の増加などで被扶養者からはずれたときは、国保への加入となります。

●他の市区町村から転入したとき
他の市区町村から引っ越しをしてきたときは、届出が必要です。

●子供が生まれたとき
子供も国保へ加入することになります。

■国保から脱退

●健康保険に加入するとき
就職をして健康保険に加入するときは、国保から脱退となります。

●他の市区町村へ転出するとき
他の市区町村へ引っ越しをするときは、届出が必要です。

●死亡したとき
国保の加入者が死亡したときは、届出が必要です。

被保険者証

正しくは国民健康保険被保険者証といいます。有効期限、氏名、生年月日、性別、世帯主の氏名、番号などが記載されていて国民健康保険の被保険者であることの証明書です。医療機関等で診療を受けるときに提示すると窓口での負担が軽くなります。70歳~74歳の方には高齢受給者証が交付されます。

保険給付

国民健康保険の保険給付は次の3つに分けることができます。

●法定必須給付・・・市区町村が必ず行わなければいけない給付です
・療養の給付
・入院時食事療養費
・入院時生活療養費
・保険外併用療養費
・療養費
・訪問看護療養費
・移送費
・高額療養費
・高額看護合算療養費
・特別療養費

●法定任意給付・・・条例又は規約により行う給付です。
・出産育児一時金
・葬祭費
・葬祭の給付

●任意給付・・・市区町村が行わなくても良い給付です。
・傷病手当金
・出産手当金

保険料の計算方法

国民健康保険の年間保険料は、医療分、支援金分、介護分の3つの区分を合算した額で、世帯ごとに計算されます。
1.医療分(基礎課税分)
2.支援金分(後期高齢者支援金等の課税分)
3.介護分(40歳以上65歳未満の方のみ)
それぞれの区分の額は、所得割、資産割、均等割、平等割の4つの中から、各市区町村が組み合わせや料率を決定し計算します。したがって、各市区町村によって国民健康保険の年間保険料は異なります。

所得割・・世帯の前年の所得に応じて計算
資産割・・世帯の資産に応じて計算
均等割・・世帯の被保険者数に応じて計算
平等割・・1世帯につきいくらと計算

【計算例A市】
1.医療分(所得割+均等割+平等割)
所得割→(平成22年度中の総所得金額等-33万円)×8%
均等割→世帯の被保険者数×20,023円
平等割→1世帯につき34,514円

2.支援金分(所得割+均等割+平等割)
所得割→(平成22年度中の総所得金額等-33万円)×2.5%
均等割→世帯の被保険者数×5,849円
平等割→1世帯につき10,082円

3.介護分(所得割+均等割+平等割)
所得割→(平成22年度中の総所得金額等-33万円)×2.2%
均等割→介護保険第2号被保険者数×6,780円
平等割→1世帯につき8,423円

⇒ 医療分+支援金分+介護分=年間保険料額

【計算例B市】
1.医療分(所得割+均等割)
所得割→被保険者の平成22年度市県民税額の合算額×1.24
均等割→世帯の被保険者数×40,011円

2.支援金分(所得割+均等割)
所得割→被保険者の平成22年度市県民税額の合算額×0.33
均等割→世帯の被保険者数×10,926円

3.介護分(所得割+均等割)
所得割→40歳~64歳の被保険者の平成22年度市県民税額×0.33
均等割→40歳~64歳の被保険者数×13,257円

⇒ 医療分+支援金分+介護分=年間保険料額

【保険料の納期】
国保の年間保険料は8期~10期に分けて各期の納期限までに納めることになります。市区町村によって何期に分けるか異なりますし、納付期限も異なります。

【例1】

期別 納付期限
1期 6月30日まで
2期 8月1日まで
3期 8月31日まで
4期 9月30日まで
5期 10月31日まで
6期 11月30日まで
7期 1月4日まで
8期 1月31日まで
9期 2月29日まで
10期 4月2日まで

【例2】

期別 納付期限
1期 8月1日まで
2期 8月31日まで
3期 9月30日まで
4期 10月31日まで
5期 11月30日まで
6期 12月26日まで
7期 1月31日まで
8期 2月29日まで

保険料の納め方

●普通徴収

年間保険料は口座振替又は納付書で納めます。

口座振替
金融機関又は市区町村の窓口で申し込むことができます。口座振替が可能な金融機関は市区町村によって違います。

納付書
口座振替を利用しない場合は、市区町村から納付書が送られてきます。金融機関又はコンビニで支払うことができます。

●特別徴収
世帯内で国民健康保険に加入しているすべての方が、65歳未満以上75歳未満で一定の条件を満たす場合は、年金から保険料が差し引かれます。この方法による納付を特別徴収といいます。

【保険料を滞納するとどうなるか】
国保の保険料を滞納すると、以下のように①→②→③→④の順番で措置が行われます。

督促上の期限を経過して保険料を滞納
→ ①有効期間の短い保険証(短期保険証)が交付されます。

災害など特別の事情がないのに、納期限から1年以上保険料を滞納
→ ②保険証は返却となり、被保険者資格証明書が交付されます。医療機関での診療は被保険者資格証明書の提示で可能です。ただし、いったん医療費は全額負担となり、後日、申請することで本来の自己負担分を差し引いた額を受けることになります。

災害など特別の事情がないのに、納期限から1年6か月以上滞納
→ ③高額療養費などの保険給付の全部又は一部の支払いが一時差止めとなります。

さらに未納が続いた場合
→ ④財産が差押さえされる場合があります。

医療費の自己負担割合

保険証を提示した場合の医療費の自己負担割合は次の表のようになっています。

対象 負担割合
義務教育就学前 2割
義務教育就学~70歳未満 3割
70歳~74歳 1割(平成24年4月1日から2割)
70歳~74歳で一定以上の収入がある方 3割

非自発的失業者にかかる軽減

企業の倒産、解雇、雇い止めなどの理由で離職した場合、国民健康保険の保険料が軽減されます。手続きの際に雇用保険受給資格者証が必要です。

●要件
雇用保険受給資格者証の離職理由の欄の数字が次のいずれかである方
11、12、21、22、23、31、32、33、34

●軽減の内容
給与所得を100分の30として保険料の算定が行われます。

●その他の要件
・年齢
・軽減の対象となる期間
市区町村によって要件が異なる場合があります。

特別な事情がある場合の減免

退職、倒産、事業の廃止、災害などによって見込みの所得が大幅に減少する場合、国保の保険料を減免する制度があります。
減免が適用になる基準は市区町村によって異なります。

【世帯の所得による軽減】
世帯の所得が一定基準以下の場合、保険料が軽減される制度があります。所得の申告がない場合、この制度は適用されません。軽減は所得によって、7割軽減、5割軽減、3割軽減があります。

海外渡航中の病気やケガ

旅行など海外渡航中に病気やケガをして現地の医療機関で治療を受けた場合、支払った医療費の一部が療養費として支給されます。
※治療が目的で海外へ行った場合、療養費は支給されません。

出産育児一時金

国保の加入者が出産した場合、出産育児一時金が支給されます。
●支給額
子1人につき39万円
産科医療補償制度に加入している医療機関等で出産した場合は42万円。

【出産育児一時金直接支払制度】
医療機関等に申し出ることにより、出産育児一時金を出産にかかる費用に充てることができます。
この制度を利用できない医療機関等もあるので事前に確認が必要です。

葬祭費

国保の加入者が死亡した場合、葬祭費が支給されます。
●支給額
5万円

●申請先
加入者の住所地の市区町村

●申請人
葬儀を行った人

●申請書
加入者の住所地の市区町村にある国民健康保険葬祭費支給申請書で申請。

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